第9回:かんじ・漢字
外国人が日本語を学ぶ上で、①助詞 ②動詞の活用 ③敬語と 並んで難しいといわれているのが④漢字である。簡単な(画数の少ない)漢字もあるが、複雑なものも多くある上に、なにしろ数が多い。日常生活で使うのは、2000-3000語と説明しても、外国人にとっては、母国語の文字数に比べれば、遥かに気の遠くなるような数であろう。
EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師候補者受け入れで、フィリピンやインドネシアから日本に来日した人たちは、これまで900人近くになるそうで、2009年2月に最初の看護師国家試験を受けた82人は、全員が不合格だったと。そして今年2010年は、254人が受験して、やっと3名の合格者がでたそうだ。合格率は、僅か1.2%と低い。やはり漢字が大きな壁のようだ。一般の日本人でも難しい専門用語の漢字が沢山あるそうだ。"じょくそう""どせき"という専門用語は、WS-WORDで変換しても出てこない。漢字にルビを振るなどの対応を望む声も多いと聞く。
日本に研修に行く生徒には、漢字の習得は必須である。日本語を聞く・話すことは、勿論であるが、研修で使う教科書や参考書は、全て漢字まじりの文章だからである。日本語能力試験でいうと、4級で100文字、3級で300文字の習得が求められる。
現在使っている日本語の教科書("みんなの日本語")には、すべての漢字に振り仮名がふってある。生徒たちは、どうしても、振り仮名に目がいってしまうのは、やむをえない。そこで、クラスでは、毎回漢字の小テストを実施することにしている。いままで習った中から10-15文字くらいを、OHPでスクリーンに映し出してやっている。生徒の反応を見ながら、試験最中にヒントをパソコンから打ち込む。例えば、"家族"という漢字であれば、"父、母、子供"といったより簡単な漢字をヒントとして与える。
漢字の習得に関し、生徒たちには、①パターン認識として覚える ②グループ(例:朝・昼・晩)で覚える ③反対語の対(例:大きいー小さい)で覚えるーーーーことなどを、アドバイスしている。日本から単語帳を買ってきて生徒に与え、漢字習得の一助にすることもある。一人の生徒が、私に言いました。"先生、漢字が書けません"。確かに、漢字の"書き"は、教えていないので、彼ら自身が、単語帳に、漢字を書くことは難しい。早速、ワープロで、適当な大きさの漢字を打ち出して、それを生徒に与え、小さく切って、単語帳に張り付けて利用して貰った。
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